高騰する電気代を抑えたい方必見!住宅用太陽光発電が電気代の値上がりに強い理由を解説
2021年から2022年にかけて、毎月のように電気代が高騰しています。
家計の負担を少しでも軽減するために節電を心がけている方も多いと思いますが、中長期的な対策として太陽光発電設備を導入するという方法もあります。
今回は、電気代の高騰を抑えるために太陽光発電が適している理由やメリットなどを中心に詳しく解説します。
目次
電気代の値上がりが続く理由
2022年はガソリンや日用品、食料品などさまざまな品目が値上がりし、家計を圧迫している現状があります。
なかでも電気代は2021年から毎月値上げが続いており、4月分を含めると8か月連続の値上げとなっています。
そもそも電気代は、電力会社が定めた基本料金に使用した分の電力量に応じて料金が加算されますが、これとは別に「燃料費調整額」とよばれる金額も別途加算されます。
燃料費調整額とはその名の通り、石炭や液化天然ガスなどの調達にかかるコストに応じて加算されるものです。
日本国内では2022年現在、総発電電力量のうち8割以上を火力発電が占めており、そのなかでも石炭と液化天然ガスが7割以上を占めている現状があります。
しかし、石炭・液化天然ガスともに国内自給率は極めて低く、そのほとんどを輸入に頼らざるを得ません。
コロナ禍や国際情勢の変化などさまざまな要因によって、2021年頃から石炭と液化天然ガスの輸入価格が高騰しており、それに引きづられるように電気代も値上がりしているのです。
コロナ禍は徐々に収束しつつありますが、それと入れ替わるようにして国際情勢の緊迫度は増しており、石炭や液化天然ガスの輸入価格がいつ頃落ち着くのかは未だ不透明な状況といえます。
◆ソーラーパネルの寿命ってどれぐらい??種類や長持ちさせるためのコツなどについて解説
電気代の値上がりに強い住宅用太陽光発電
日本国内の電力会社が次々に値上げを発表し、8か月連続で電気代が高騰しているなか、電気の自給自足ともいえる太陽光発電に注目が集まるようになりました。
そもそも太陽光発電にはどのようなメリットがあるのか、気になる今後の動向についても詳しく解説しましょう。
住宅用太陽光発電のメリット
太陽光発電の最大のメリットは、従来のように電力会社から電気の供給を受けることなく、自宅の屋根や屋上、敷地内で発電した電力を自給自足できる点にあります。
石炭や液化天然ガスなどの輸入資源が高騰しても、電気代を気にする必要がないのは太陽光発電ならではのメリットといえるでしょう。
また、万が一停電になったとしても太陽光発電設備があれば自前で電気を得られるため、災害に強いことも大きなメリットです。
特に、寒さや暑さが厳しい季節に大規模災害が発生し停電に見舞われると、命の危険に見舞われるリスクも考えられます。
しかし、自宅に太陽光発電設備が導入されていれば、停電があっても生活に必要な最低限の電力は確保できるはずです。
今後は新築に住宅用太陽光発電が義務化される可能性も
太陽光発電が注目されているのは、電気代の高騰や災害対策だけではありません。
政府は2030年までに、新築住宅の6割に太陽光発電設備を設置することを目標として掲げています。
また、東京都は全国の自治体のなかで初めて、新築一戸建て住宅へ太陽光発電パネルの設置を義務化する方向で条例を制定することを決定しました。
太陽光発電は天候や日照量、設置箇所の条件によっても発電効率は変わるため、設置に適した場所もあれば不向きな場所もあります。
たとえば、東北地方や北海道、北陸といった豪雪地帯ではソーラーパネルが雪で覆われてしまい、そもそも発電が不能となるケースもあるでしょう。
また、1年に何回も台風が上陸する沖縄や九州地方などでは、強風によって太陽光発電設備が破損したり飛ばされたりしないよう十分な対策も必要です。
全国で太陽光発電設備の設置を義務化するとなると、上記で示したようなさまざまな課題が残るのも事実ではありますが、安定的に電力を確保するためにも太陽光発電設備の設置が義務化される可能性は十分考えられるでしょう。
◆住宅太陽光発電の義務化っていつから?補助金や導入におけるポイント、問題点についても
住宅用太陽光発電で電気代の売電
太陽光発電は自宅で消費する以外にも、余剰電力を電力会社へ売る(売電)こともできます。
太陽光発電設備を導入することで電気代はどう変化するのか、太陽光発電を導入しなかったケースも含めて電気代との関係性を比較してみましょう。
住宅用太陽光発電ありで売電するとき
自宅に設置した太陽光発電設備で発電した電力を消費しきれなかった場合、余剰電力を電力会社へ売ることができます。
しかし、電力会社が買い取る電力単価は年々下がってきていることもあり、売電に対してネガティブなイメージをもつ方も少なくありません。
確かに太陽光発電の買取制度が開始された2010年代から比較すると、現在の買取価格は半値以下に下落していることは事実です。
しかし、それと同時に太陽光発電設備の取得価格も下がってきているほか、発電効率は向上しています。
設備投資にかかるコストを考えると費用対効果は決して悪化していないのが現状なのです。
ただし、売電収入が年間20万円以上の収入になれば、確定申告をしなければならないので注意が必要です。
住宅用太陽光発電なしで電気を使うとき
従来と同様に太陽光発電を導入することなく、電力会社からの供給のみで電力を賄う場合はどうなのでしょうか。
冒頭でも紹介したとおり、電気料金は石炭や液化天然ガスなどの輸入価格高騰にともない上昇しています。
仮に、これが一時的なものであったとしても、世界情勢の変化に応じて不安定な価格に影響されることは間違いないでしょう。
また、何らかの理由によって石炭や液化天然ガスの輸入がストップした場合、これまでにない甚大な影響を受けることも予想されます。
住宅用太陽光発電ありで自分で使うとき
自宅で発電した電力を売電することなく、すべて自宅の中だけで消費する場合には、電力会社に依存することなく必要な電力を賄うことができます。
また、売電を前提とした設備に比べて最小限の設備投資で済むため、初期費用も抑えられるでしょう。
戸建て住宅なら住宅用太陽光発電がおすすめ
アパートやマンションなどの集合住宅の場合、屋根や屋上は共有スペースであるため、居住者の一存で太陽光発電設備を導入することは難しいでしょう。
しかし、一戸建て住宅であれば、自宅の屋根や屋上、使用していない敷地などを有効に活用して太陽光発電設備を設置することが可能です。
一戸建て住宅に太陽光発電の設置をおすすめしたい理由を2つ紹介しましょう。
今後の住宅用太陽光発電の需要
近い将来、太陽光発電設備の設置が義務化される可能性があることを紹介しました。
東京都ではすでに条例を定める方針を決定していますが、これに続いてほかの自治体でも義務化に向けた条例やルール作りが進められていく可能性があります。
条例や法律といった強制力のあるルールが定められないとしても、太陽光発電設備の設置を前向きに検討する住宅メーカーや住宅購入者も増えてくるでしょう。
現在ですと、住宅の屋根以外にもパネルを設置する場合はカーポートなどが主流のようです。
地震や台風といった大規模災害が多く発生する日本において、太陽光発電は今後重要なインフラになる可能性もあるのです。
費用がかからずに設置することも可能
太陽光発電の注目度・必要性が高まっているものの、導入にあたっては100万円以上のコストがかかるケースも珍しくありません。
毎月の電気代が節約できたり、売電による収入を得られるといっても、高額な初期費用を捻出することは高いハードルに感じられるものです。
そこで、事業者に対して自宅の屋根や屋上、敷地を貸し出すことで初期費用の支払いが不要となる「0円ソーラー」という仕組みもあります。
事業者に対して電気料金を支払う必要はありますが、太陽光発電のメリットを手軽に得たいという方にはおすすめの制度といえるでしょう。
0円ソーラーについては以下の記事でも詳しく紹介しているため、ぜひこちらも参考にしてみてください。
◆2022年度の住宅用太陽光発電の設置費用は??製品の内訳や補助金についても
◆住宅太陽光発電の設置までの流れについてはこちら
まとめ
8か月連続という過去に例を見ないほど高騰している電気料金。
その背景には、コロナ禍や世界情勢の変化によって石炭・液化天然ガスの輸入価格が高騰していることが挙げられます。
しかし、太陽光発電設備を導入しておけば、電気料金の値上がりの影響を最小限に抑えられるほか、万が一大規模災害によって停電が長期化した際にも自給自足で電力を賄うことができます。
今後、一戸建て住宅を対象に太陽光発電設備の導入を義務化する自治体もあることから、この機会に設置を検討してみてはいかがでしょうか。
◆住宅用太陽光発電は今から設置しても大丈夫?|導入すべき3つの理由と義務化について解説
◆【丸わかり】住宅用太陽光発電のメンテナンスの内容やメリット、費用、頻度について解説