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太陽光パネルの廃棄問題を解説!費用や廃棄方法についてご紹介



2010年代から太陽光発電が広く世の中に普及しはじめ、現在では一般住宅の屋根にも太陽光パネルが設置されています。しかし、太陽光パネルは数十年で寿命を迎えることから、その後の廃棄・処分についても正しい知識をもっておく必要があります。

本記事では、太陽光パネルの正しい廃棄方法や処分にかかる費用の相場などもあわせて詳しく解説していきます。



太陽光パネルを一般ゴミとして処分できない理由


家庭から排出されるゴミや不用品は、ゴミ袋に入れて回収してもらったり、クリーンセンターへ持ち込んだりといった方法で処分できます。しかし、すべてのモノがそのような一般ゴミとして処分できるとは限らず、たとえばテレビや冷蔵庫、エアコンなどの家電製品のように、所定の処分方法が法律によって義務付けられているモノもあります

屋根や屋上に設置する太陽光パネルも同様で、クリーンセンターに持ち込んでも一般ゴミとして処分することはできません。太陽光パネルにはカドミウムや鉛、セレンといったさまざまな有害物質が含まれており、そのままの状態で埋め立ててしまうと有害物質が土壌や河川に流れ出て、環境破壊や健康被害を及ぼす危険があるためです。

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太陽光パネルの正しい処分方法

家屋の取り壊しや引っ越し、あるいは太陽光発電設備そのものが老朽化し使用できなくなった場合には、屋根や屋上から太陽光パネルを取り外し処分する必要があります。上記で紹介した通り、太陽光パネルは一般ゴミとして処分することはできないため、専門業者へ依頼し「産業廃棄物」として適切に処分してもらいます。

処分にかかる具体的な手順は以下の通りです。

  1. 専門業者へ現地調査・見積もりの依頼
  2. 太陽光パネルの撤去
  3. 撤去した太陽光パネルの分解・リサイクル・処分

太陽光パネルを含む太陽光発電設備の解体には危険が伴うため、専門業者への依頼が必須です。太陽光パネルの解体や撤去、運搬を行うのは排出業者とよばれ、そこから先のパーツを分類しリサイクルに回したり有害物質を適切に処理したりといった工程は別の業者が担います。

そのため、一般ユーザーである私たちが太陽光パネルを処分する際には、屋根上から撤去してくれる排出業者に相談・依頼するのが正しい方法といえるでしょう。




太陽光パネルを処分する際のパターン


太陽光パネルを撤去する「専門業者」とは、具体的にどのような業者を指すのでしょうか。

撤去する理由や状況によっても排出業者は変わってきます。代表的なパターンとして考えられるのは以下の3つです。

1.家の建て替えや取り壊し

新しい家に建て替える場合や、誰も家に住まなくなったため取り壊す場合には、家屋の解体業者に太陽光パネルの撤去作業を依頼することになります。そのため、解体業者が太陽光パネルの排出業者となり、そこから専門の処分業者へと引き渡します。

家の建て替えや取り壊しを解体業者へ依頼する際には、太陽光パネルの撤去も合わせて対応可能であるかを事前に確認しておきましょう。

2.太陽光パネルの寿命による交換

太陽光パネルが寿命や故障によって使えなくなった場合、古いものを撤去し新しい製品に交換します。このケースでは太陽光パネルの販売店や施工業者が撤去作業まで行うことが多いため、排出業者も販売店・施工業者となります。

また、現住所からの引っ越しが決まったなどの理由で、家屋はそのままで太陽光パネルのみを撤去する場合においても施工業者へ撤去を依頼することが多いでしょう。

3.事故や災害による交換

地震や台風などによる災害や、飛来物が衝突し太陽光パネルが屋根から落下・破損した場合、原則として所有者が排出者とみなされます。

ただし、冒頭でも紹介したように太陽光パネルは一般ゴミとして処分することができないため、個別に処分業者を探し廃棄を依頼する必要があります。

なお、これはあくまでも太陽光パネルが屋根から落下した場合であり、屋根の上に残った状態で破損・故障した場合には施工業者へ撤去作業を依頼することになります。

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太陽光パネルの処分にかかる費用と内訳


太陽光パネルを処分するためには、屋根上からパネルや架台を取り外し運搬する手間もかかるため、高額な費用がかかるのではないかと不安に感じる方も多いでしょう。そこで、撤去から運搬、処分にかかる費用の相場をご紹介します。

撤去費用の相場

太陽光パネルを屋根上から撤去するためには、少なくとも20〜30万円程度の費用がかかります。

撤去費用の内訳としては、太陽光パネルを架台から取り外し屋根から下ろすための人件費として10万円程度、足場を組むための作業費として10〜20万円程度を要します。

さらに、屋根から太陽光パネルを撤去した後、ビスなどで固定した跡の修復や塗装の塗り替え、葺き替えが必要になる場合もあり、トータルで100万円以上の費用が発生することも予想されます。

処分費用の相場

太陽光パネルの撤去費用はあくまでも解体業者や施工業者といった排出業者に対して支払う費用です。これとは別に、処分業者に支払う費用も加算されます。

太陽光パネルの重量や大きさによっても処分費用は変わってきますが、相場としては1枚あたり1,200円程度となっています。仮に10枚の太陽光パネルを設置していた場合には、12,000円程度の処分費用が上記に加算されます。



太陽光パネルの廃棄で注意すべきポイント


太陽光パネルの廃棄にあたってはさまざまなルールがあり、正しい認識をもっておかないとトラブルに巻き込まれることもあります。十分な知識がないまま無責任な対応をとってしまうと、法的責任を問われることもあるでしょう。

このような事態にならないよう、廃棄にあたっては注意しておくべきポイントがあります。

極端に処分費用が安い業者は要注意

太陽光パネルは産業廃棄物として処分しなければならず、一般ゴミとは異なり必ず処分費用がかかります。

それにもかかわらず、太陽光パネルを無料または極端に安価な費用で処分できることを謳っている業者も存在します。このような悪質な業者に依頼してしまうと、太陽光パネルを不法投棄されるケースも少なくありません。

また、当初の見積もりでは安価な費用であったにもかかわらず、撤去作業が完了した後になって高額な費用を請求される危険もあるでしょう。

廃棄費用を積み立てておく

太陽光パネルの撤去には少なくとも数十万円以上の高額な費用がかかります。

設置費用やメンテナンス費用にばかり目が向きがちですが、いざ撤去するとなったときに想定外の撤去費用を請求され困惑する方も少なくありません。

そのため、太陽光パネルの寿命を迎える15年後、20年後を見据え、少しずつ撤去費用を積み立てておくことが大切です。

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太陽光パネルの廃棄には正しい知識とルールの把握が必須

太陽光パネルには有害な化学物質が多数含まれていることから、不法投棄をすると土壌や河川の汚染を引き起こし健康被害の原因になることもあります。

このような事態を引き起こさないためにも、太陽光パネルは産業廃棄物として適正なルールのもとで処分しなければなりません。

これは事業用太陽光発電を設置している業者はもちろんのこと、小規模な太陽光発電設備を設置する一般家庭でも同様です。

今後、寿命を迎えた太陽光パネルが大量に排出され、処分に関する問題が顕在化してくる可能性は高いですが、トラブルに巻き込まれないためにも正しい知識をもち、信頼できる業者へ相談・依頼することが何よりも大切です。

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