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2022年度の家庭用蓄電池の補助金について|蓄電池の設置費用やDER補助金の条件は?




災害対策や太陽光発電と組み合わせた節電方法としても注目されている家庭用蓄電池。

しかし、家庭用とはいっても蓄電池の導入には多額のコストがかかり、費用の面から導入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。


そのような場合に、ぜひ活用していただきたいのが国や自治体が運営している補助金制度です。

今回の記事では、2022年度の家庭用蓄電池導入の補助金はどうなるのか、詳しく解説します。

これから太陽光発電設備とあわせて家庭用蓄電池の導入も検討している方は、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。




家庭用蓄電池の設置価格や相場


一口に蓄電池といっても、大型商業施設やビル、マンションなどで使用する産業用のものと、一般家庭向けのものがあります。

このうち、一般家庭で使用する家庭用蓄電池は蓄電容量が5〜7kW程度のものが主流であり、産業用蓄電池に比べると安価なコストで設置可能です。

5〜7kW程度の家庭用蓄電池は、多くの場合、本体価格と設置費込みで160万円程度が相場となっています。

家庭用蓄電池は幅・高さともに50〜100cm程度のものが多く、コンパクトなスペースに設置できるのが魅力。

また、メーカー保証期間は10年から15年程度の場合が多く、シャープや京セラ、パナソニックなど、主要な国内メーカーでも多くの製品を取り扱っています。

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電力産業のイノベーションで注目されるDER



家庭用蓄電池を導入する場合、太陽光発電設備で発電した電力を一時的に蓄電器へ溜めておき、災害時はもちろんのこと、ソーラーパネルでの発電が難しい夜間などに使用するといった活用方法が挙げられます。

 

すなわち、太陽光発電設備と家庭用蓄電池を併用することで、電力の自給自足が実現できるようになるのです。

災害の多い日本では、これまで地震や台風、大雨などが発生するたびに大規模な停電に見舞われ、ライフラインがストップするという事態に直面してきました。

たとえば、自宅で高齢者の介護をしていたり、乳幼児の子育てをしていたりする家庭では、真夏や真冬の期間に停電が発生すると空調が効かなくなり、場合によっては命の危険に晒されることもあるでしょう。

そこで、従来のように電力会社からの電力供給にだけ頼るのではなく、各家庭で小規模発電設備を整え、エネルギー自給と信頼性の高い電力の確保を実現する「分散型エネルギー源(DER)」が注目されています。

DERを実現するうえで太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーは重要な役割を果たしますが、必要なときに必要な分の電力を使用するために家庭用蓄電池は必要不可欠な存在といえるのです。

◆住宅用太陽光発電は今から設置しても大丈夫?|導入すべき3つの理由と義務化について解説

DER補助金の要件

太陽光発電設備と家庭用蓄電池の導入にあたって、初期費用を少しでも軽減するために有効なのが補助金制度の活用です。

DERを推進するために、一般社団法人環境共創イニシアチブ(Sii)では「DER補助金」という制度を運用しています。

 

家庭用蓄電池を導入しDER補助金を受け取る場合には、Siiに事前に登録された製品であることが条件となります。

国内メーカーの蓄電池であれば基本的に対象となりますが、詳しくはSiiのホームページで確認しておきましょう。

 

なお、DER補助金を利用するためには、太陽光発電設備と家庭用蓄電池を導入すること以外にも、いくつかの条件が設定されています。それぞれの条件の内容を詳しく解説しましょう。

DER実証実験への参加

DER補助金を受け取るためには、環境共創イニシアチブ(Sii)が行うDER実証実験に参加することが前提となります。

実証実験の期間は1年のうち1週間程度とされており、遠隔操作によって蓄電池の充放電実験が行われます。

 

実証実験の期間中は蓄電池の設定を変更しないことや、インターネットへの接続を維持することなどの条件が求められますが、それ以外にオーナー自身が損失を被ったりデメリットとなることはほとんどないため、メリットのほうが大きい制度といえるでしょう。

HEMSの設置

DER補助金を受け取るためには、太陽光発電設備と家庭用蓄電池のほかにも、HEMSとよばれるシステムを導入することが条件となります。

HEMSとは「Home Energy Management System」の略称で、一言でいえば電気の発電量・使用量を可視化したり、自動制御したりするためのシステムです。

◆蓄電池の仕組みについてはこちら

2022年度のDER補助金について

 

家庭用蓄電池の導入にあたって有効なDER補助金ですが、実際にどの程度の金額が支給されるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、補助金額の詳細と申請から支給までのスケジュールを解説します。




 

補助金額

DER補助金の金額は年度ごとに見直され、2022年度は蓄電池の初期実効容量1kWhあたり3.7万円で、設備費と工事費用の3分の1が支給上限額となります。

なお、HEMSの導入時にも一律5万円の補助金が支給されます。

 

ちなみに、電気自動車やプラグインハイブリッド車などを家庭用の電源として使用する「V2H」の設備に対してもDER補助金の支給対象となりますが、この場合の支給額は設備費が上限75万円、工事費が定額40万円支給されます。

全体のスケジュール 

DER補助金は申請から支給までどのようなスケジュールで進められるのか、詳しく解説します。

まず、2022年の申請開始は6月1日(水)から12月23日(金)までで、Siiのホームページから手続きを行います。

その後、申請から1〜3週間程度で交付が決定し、実際に工事業者との契約・設置といった流れになります。

「12月23日まで」という期間は、申請手続きから設置工事まですべて完了することが条件です。

 

通常、業者による設置工事は数日程度で完了する場合がほとんどですが、補助金を受け取るためには必ず交付申請が決定してから工事の契約手続きを行う必要があります。

 

そのため、12月23日までに工事を完了させるとなると、少なくとも1ヶ月以上前には申請を開始しなければなりません。

工事業者とのスケジュール調整も必要になるため、できれば余裕をもって数ヶ月前から準備に取り掛かったほうが良いでしょう。

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自治体の補助金と併用はできるの?

自治体によっては太陽光発電関連の補助金を運用しているところもあります。

基本的にDER補助金は自治体の補助金制度と併用が可能です。

 

たとえば、東京都が行っている「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」では、蓄電池を導入すると1kWhあたり10万円、上限60万円(2分の1まで)までの補助金を受け取ることができます。

また、蓄電池と同時に太陽光発電設備も導入すれば、新築住宅の場合で1kWあたり12万円(上限36万円まで)が上乗せとなります。

 

このような補助金制度をフルに活用すれば、蓄電池の導入費用を100万円以下に抑えることも十分可能であり、導入コストの大幅な節約が期待できるでしょう。

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家庭用蓄電池の補助金で注意しておきたい3つのこと

 

家庭用蓄電池の導入にあたって心強い味方になってくれるさまざまな補助金制度ですが、申請にあたって注意しておかなければならないポイントもあります。

特に押さえておきたい3つのポイントを紹介しましょう。

①補助金の算出に用いられるのは「初期実効容量」

蓄電池のカタログを見てみると、「蓄電容量」とは別に「初期実効容量」または「実効容量」という項目があります。

蓄電容量とはその名の通り、蓄電池本体に充電可能な最大容量のことを指します。

しかし、たとえば蓄電容量が10kWhの製品があったとしても、10kWhすべてを使用できるわけではありません。

 

製品によっても異なりますが、実際に使用できるのは9kWhや8kWh程度であり、残りの容量はシステム保護などの目的に使用されます。

このように、実際に使用できる容量のことを初期実効容量とよびます。

 

補助金の多くは蓄電容量ではなく初期実効容量をもとに算出されるため、これを知らないと「思っていたよりも補助金額が少ない」という事態になりかねません。

◆蓄電池製品一覧はこちら

②補助金の予算には限りがある

補助金や助成金などの多くは、あらかじめ予算が決められており、予算に達した時点で募集が締め切られることがあります。

たとえば、今回紹介したDER補助金の予算総額は34億1,000万円で、この金額に達した場合には当初予定の12月23日よりも早いタイミングで締め切られる可能性があるのです。

 

また、自治体が独自に実施している補助金制度も同様に予算が決められているため、できるだけ早めに申請を行うことが大切です。

③DER補助金の申請から交付まではどれくらいかかる?

全体スケジュールのなかでも紹介しましたが、DER補助金は申請から1〜3週間程度で交付が決定し、その後に工事業者との契約・設置となります。

ほかの補助金制度でも同様のことがいえます。

◆2022年現在の住宅用太陽光発電の設置費用は?補助金についても解説

 

まとめ

太陽光発電設備で発電した電力を効率的に消費したり、災害対策用の電力を確保しておくために、家庭用蓄電池の導入は有効な方法といえます。

しかし、家庭用とはいえ150万円以上の導入費用がかかることも珍しくなく、コスト面で躊躇してしまう方も多いでしょう。

 

今回紹介したように、Siiや自治体では太陽光発電設備および家庭用蓄電池の導入費用を少しでも軽減するために、さまざまな補助金制度を運用しています。

補助金の活用にはさまざまな条件があり難しく感じられるかもしれませんが、太陽光発電設備や家庭用蓄電池の設置に対応している工事業者のなかには補助金申請まで詳しく説明してくれるところもあるため、まずは一度相談してみてはいかがでしょうか。

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