2022年度の住宅用太陽光発電の設置費用は??製品の内訳や補助金について解説!
環境問題への意識の高まりとともに、企業はもちろんのこと一般住宅においても太陽光発電システムを導入するケースが増えています。
発電にCO2を排出しないクリーンなエネルギーですが、高額な導入が気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、住宅用太陽光発電システムを導入する場合、どの程度の設置費用がかかるのか、費用の相場を紹介するとともに、活用できる補助金制度の例なども解説します。
目次
太陽光発電システムの設置にかかる費用相場
太陽光発電システムの導入にあたって、多くの方が気になっているのは「初期費用がどの程度かかるのか?」という点ではないでしょうか。
そこで、太陽光発電システムの導入費用はどのような仕組みで決定するのか、一般住宅に導入する場合に必要な設置費用の相場もあわせて紹介しましょう。
太陽光発電の容量と設置面積で費用は大きく異なる
一口に太陽光発電といっても、一般住宅向けのシステムと産業用のシステムとでは発電規模も異なり、設置費用は大きく変わってきます。
太陽光発電はソーラーパネルの設置面積に応じて発電容量が変動し、多くの電力を発電するためには広い面積の屋根や敷地にソーラーパネルを設置しなければなりません。
屋根面積に応じた太陽光発電設置費用の相場
では、実際に一般住宅へ太陽光発電を導入しようと考えた場合、どの程度の設置費用がかかるものなのか、屋根面積に応じた費用相場を紹介しましょう。
一般住宅で必要な太陽光発電システムの発電容量は、およそ3kWから6kW程度とされています。
これを屋根面積に換算すると、10坪(約33平方メートル)で3.3kW、20坪(約66平方メートル)で6.7kWの発電容量となる計算です。
経済産業省の調査結果によると、2021年時点で太陽光発電システムの導入にかかる費用は1kWあたり平均28万円となっています。
これを当てはめて計算すると、一般住宅では92.4万円から187.6万円程度が設置費用の相場となります。
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太陽光発電システム設置費用の内訳
一般住宅に太陽光発電システムを導入する場合、100万円以上の設置費用がかかることが分かりましたが、この中にはソーラーパネルやパワーコンディショナー、架台といった機器類のほか、設置にかかる工事費も含まれています。
また、ソーラーパネルだけでなく、蓄電池やエコキュートなどを一緒に導入するケースも少なくありません。
そこで、これらも含めた設置費用の内訳を詳しく見ていきましょう。
ソーラーパネルの価格相場
経済産業省の資料によると、太陽光発電システムの設置費用のうち約60%がソーラーパネルで占められていることが分かっています。
1kWあたりの平均金額に換算すると、総額28万円のうちソーラーパネルの金額は17.1万円となります。
2010年代後半から太陽光発電システムの需要増加に伴い、ソーラーパネルの単価は下落傾向にありますが、それでも高額な設備投資であることに変わりはありません。
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パワーコンディショナーの価格相場
ソーラーパネルを設置しただけでは、発電した電力を家庭用電源として活用することはできません。
そこで、ソーラーパネルの電力を家庭用電源に変換するためにパワーコンディショナーとよばれる設備が導入されます。
パワーコンディショナーは1kWあたりの設置費用28万円のうち、約15%にあたる4.2万円が相場となっています。
蓄電池の価格相場
ソーラーパネルで発電した電力を一時的に溜めておき、夜間などに使用するために蓄電池を導入するケースも少なくありません。
蓄電池は容量に応じて価格の相場も大きく異なりますが、たとえば5kW相当の太陽光発電システムに対応できる蓄電池を導入した場合、200万円前後の費用がかかります。
蓄電容量が小さいものは価格もわずかに手頃になりますが、いずれにしても100万円単位での費用がかかると考えておいたほうが良いでしょう。
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エコキュートを導入した場合の価格相場
エコキュートとは、ヒートポンプ技術とよばれる空気の熱を利用して給湯するシステムのことを指します。
ガスやボイラーを使用することがないため、ガス代や電気代の節約につながります。
エコキュートの設置費用は、給湯するタンクの容量に応じても変わってきます。
200L未満の小型の機器であれば30万円程度のものもありますが、300L、500Lと大容量のものになると100万円以上するものも少なくありません。
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工事費用の相場
太陽光発電システムの設置費用のなかで、ソーラーパネルの次に大きな割合を占めるのが工事費です。
1kWあたりの設置費用の総額28万円のうち、6.6万円が工事費にあたり、これは全体の20%以上となっています。
メンテナンス費用の相場
太陽光発電システムの導入を検討するうえで、設置費用とあわせて覚えておきたいのがメンテナンスにかかる費用です。
経済産業省の資料では、5kWの太陽光発電システムを導入した場合の平均運転維持費も算出しています。
これによると、定期点検にかかる費用は3〜4年ごとに約2.9万円であることが分かっています。
ただし、これはあくまでも機器類にトラブルがなかった場合に限られるため、万が一ソーラーパネルの修理や交換が必要になった場合にはさらにメンテナンス費用が加算されることになります。
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ソーラーパネルの撤去費用
引っ越しや家屋の建て替えなどでソーラーパネルを撤去しなければならない場合、当然のことながら撤去費用が発生します。
設備の規模や大きさによっても撤去費用は変わってきますが、一戸建ての場合は10万円程度が相場となっているようです。
また、ソーラーパネルを処分しなければならない場合には、パネル1枚あたり1,200円程度の処分料も発生します。
新築で設置する場合と後から設置する場合はどちらがお得?
太陽光発電設備の導入にあたっては、大きく分けて新築住宅の建築に合わせて導入する場合と、すでにある住宅の屋根などに設置する場合の2パターンがあります。
新築住宅の場合、設計の段階で必要な電力量を計算し、それに応じて太陽光発電システムの設置スペースも確保できます。
これに対し、既存の住宅に太陽光発電システムを設置する場合には、現地調査を経て設置が可能かを判断し、それぞれの住宅に合わせて架台の位置や高さ、設置方法を検討しなければなりません。
そのため、導入コストについては単純に比較することは難しいですが、既存の住宅に後付けで設置するよりも新築住宅に設計したほうがお得となるケースは多いようです。
◆住宅太陽光発電の義務化っていつから?補助金や導入におけるポイント、問題点についても
2022年の太陽光発電導入に使える補助金制度
太陽光発電システムの導入にあたって、高額な費用を少しでも抑えるために有効なのが補助金制度です。
2022年の時点で国による補助金制度は終了していますが、自治体のなかには独自の補助金制度を運用しているところもあります。
具体的にどのような補助金制度があるのか、いくつかの事例を紹介しましょう。
太陽光発電システム設置費助成(東京都港区)
東京都港区では、太陽光発電システムを含む再生可能エネルギーを導入した事業者および区民に対し補助金を助成しています。
一般住宅の場合、最大出力(ソーラーパネルの最大出力またはパワーコンディショナーの定格出力のいずれか小さい値)に応じて、1kWあたり10万円(上限40万円)の補助金が支給されます。
◆港区ホームページ/太陽光発電システム設置費助成
太陽エネルギー利用システム設置費補助金(東京都足立区)
東京都足立区では、既存の住宅へ太陽光発電システムを設置した場合、1kWあたり6万円の補助金を支給しています。
一戸建て住宅の場合、ソーラーパネルや架台、パワーコンディショナー、工事費などの3分の1に相当する額が対象となり、上限額は24万円となります。
ただし、足立区内の事業者へ設置工事を依頼した場合、上限額は28.8万円までアップします。
太陽光発電システムを導入するうえで押さえておくべきポイント
太陽光発電システムの導入にあたっては、本当に導入しても問題がないか十分な検討が必要です。
導入前に押さえておきたいポイントを2つ紹介しましょう。
①メリットとデメリットを比較しながら検討する
太陽光発電システムは必ずしもメリットばかりとは限らず、今回紹介してきたように高額な設置費用がネックとなることもあります。
また、ソーラーパネルを設置したからといって終わりではなく、定期的なメンテナンスや機器類の交換、修理などが必要になることもあるでしょう。
さらに、太陽光発電は天候によっても発電量が左右され、特に日照量が少ない地域や豪雪地帯では、太陽光発電システムの十分な恩恵が受けられないことも考えられます。
デメリットよりもメリットのほうが多い傾向にあることは間違いありませんが、十分検討をしたうえで導入を決定しましょう。
②設置費用が不要な「0円ソーラー」もある
太陽光発電システムの初期費用の問題を解決するために、近年「0円ソーラー」とよばれる仕組みも登場しました。
0円ソーラーの事業者に対して自宅の屋根や余った土地を提供する代わりに、事業者が太陽光発電システムの設置費用とメンテナンスコストを負担するという制度です。
発電した電力の消費分は事業者へ支払う必要がありますが、契約内容によっては従来よりも電気代を安く抑えられる可能性もあります。
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まとめ
太陽光発電システムのニーズが高まり、導入にかかる費用は年々下落傾向にあります。
しかし、それでも一般住宅に太陽光発電システムを導入するとなると100万円単位のコストがかかることは事実であり、大きな負担に感じる方も多いことでしょう。
そのような場合には、各自治体が提供している補助金制度をうまく活用したり、「0円ソーラー」などの仕組みを検討してみたりするのも良いのではないでしょうか。
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