住宅用太陽光発電は今から設置しても大丈夫?|導入すべき3つの理由と義務化について解説
一般住宅の屋根や屋上、空き地などに設置される住宅用太陽光発電システム。
産業用太陽光発電システムとは異なり、比較的小規模なシステムであることから、年々コストも下がり需要が高まっています。
しかし一方で、「住宅用太陽光発電システムは今後採算がとれなくなる」、「住宅用太陽光発電システムの将来性は低い」といったネガティブな声も少なくありません。
本記事では、なぜこのような指摘がされるようになったのかを解説するとともに、今から導入するのは遅いのか、どのようなリスクが考えられるのか、などの疑問にお答えします。
目次
住宅用太陽光発電の今後が心配されるのはなぜか?
ここ数年、太陽光発電の将来性を危惧する声が高まりつつありますが、それはなぜなのでしょうか。
その背景にはさまざまな要因が考えられますが、特に大きなポイントとして挙げられるのがFIT制度における固定買取価格(売電単価)の下落です。
FIT制度では国が定めた価格で再生可能エネルギーを買い取ることが定められていますが、じつは年々買取価格が下落しています。
たとえば、住宅用として採用されることの多い10kW未満の太陽光発電システムの場合、2018年度の買取価格は26円/kWhでしたが、2019年度は24円/kWh、2020年度は21円/kWhと下がり続け、2022年度は17円/kWhまで下落しました。
1kWhあたりの単価が下がるということは、過去に太陽光発電システムを導入したオーナーと、これから導入予定のオーナーとの間で売電収入の格差が生じることを意味しています。
また、固定買取価格はこれまで毎年のように下がり続けてきたことから、2023年、2024年もこの傾向は続くと予想されます。
そのため、これから住宅用太陽光発電システムを設置して売電収入を得るのは不利と考える方が多いようです。
◆2022年度の住宅用太陽光発電の設置費用は??製品の内訳や補助金についても
今後も住宅用太陽光発電システムを導入するべき3つの理由
毎年のように固定買取価格が下落し続けているのは事実ですが、結論からいえば今後も太陽光発電システムの導入はさらに進んでいくと考えられます。
それはなぜなのか、住宅用太陽光発電システムを導入することで得られるメリットもあわせて紹介しましょう。
①導入ハードルの低下
従来の固定買取価格が高額であった理由としては、太陽光発電システムの導入に多額のコストを要していたことが挙げられます。
しかし、年を追うごとに導入件数は増え、需要の増加とともにソーラーパネルのコストも下がってきました。
今後もさらに導入コストは下がっていくと予想され、安価な費用で太陽光発電システムが設置できるようになると期待されています。
②電気料金の値上げ
住宅用太陽光発電システムを導入するのは、売電収入を得ることだけが目的とは限りません。
売電収入を得ると同時に、自家消費を前提とし電気代を節約することも大きな目的としてあります。
そもそも電力会社から請求される電気料金は、石油や石炭、天然ガスといった燃料の価格が変動した場合、その分が電気料金にも上乗せされる仕組みとなっています。
しかし、自宅に太陽光発電システムを導入し自家消費が可能になれば、電気料金が高騰した場合でも出費を抑えられる可能性があるのです。
特に2022年に入ってからは、激動する世界情勢の影響によって原油価格が高騰し、電力会社は続々と値上げを発表しています。
このようななかでも、住宅用太陽光発電システムを導入していればコストの変動を抑えられ、経済的なメリットを受けられるでしょう。
③停電・災害対策
2022年の夏は猛暑が続くなかで電力需要が逼迫し、全国的に節電要請が行われる事態となりました。
電力会社から供給できる量が限られている以上、企業や一般家庭は節電に協力しないと猛暑のなかブラックアウトに陥るリスクもあるのです。
また、地震や台風といった災害の多い日本において、いつ大規模な停電が発生してもおかしくないのも事実。
大規模な災害によって電柱が倒壊し、送電線の一部が切断された場合、停電が長期化するおそれもあります。
このような状況下であっても、太陽光発電システムを導入していれば、電力会社からの供給に頼ることなく自前で最低限の電力を自給自足することが可能で、火災保険の対象にもなります。
太陽光の容量と蓄電池の容量によって変わるものの、一般家庭であれば約1日半は 停電で電力供給が止まってもいつもの生活が行えるようになるうえで、電気自動車にも供給可能です。
◆ソーラーパネルの寿命ってどれぐらい??種類や長持ちさせるためのコツなどについて解説
FIT制度満了後は蓄電池との併用がおすすめ
住宅用太陽光発電システムを導入する方の多くは、自家消費しきれなかった分を電力会社へ買い取ってもらい、売電収入を得ています。
しかし、固定買取で買い取ってもらうFIT制度の期間は10年間と決められており、この期間が過ぎると買取価格は下落する可能性が高くなります。
では、固定価格で買い取ってもらえる10年間が終了した後、住宅用太陽光発電システムをより有効に運用するためにはどういった方法があるのでしょうか。
ここでぜひおすすめしたいのが、太陽光発電システムと蓄電池を併用する方法です。
蓄電池とは発電した電力を一時的に溜めておくための機器で、大容量のモバイルバッテリーのようなものです。
蓄電池がなく太陽光発電システムのみを運用していた場合、発電した電力はその場ですぐに消費するか、消費しきれなかった分は電力会社へ売電されます。
しかし、FIT制度が終わってしまうと、これまで売電していた分の収益は低下し、経済的なメリットが少なくなってしまいます。
そこで、蓄電池を併用することにより、たとえば日中に発電した電力を溜めておき夜間に使用することも可能になり、電気料金の節約につながるでしょう。
またウィズソーラー調べによると、実際に住宅用太陽光発電を導入する際に、どれぐらいの方が蓄電池を導入しているのかというと、80%という結果が出ていることから併用での利用がお得になると考えている家庭が多いようです。
◆ウィズソーラーの蓄電池製品はこちら
2030年までに太陽光発電システムの設置義務化が検討されている
住宅用太陽光発電システムの導入が今後も伸びていくと予想される根拠はほかにもあります。
東京都では、2030年を目処に新築住宅の建設にあたって太陽光発電システムの設置義務化を検討していると発表しました。
これは、2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する「カーボンハーフ」の一環として検討されているものです。
火力発電から再生可能エネルギーへの転換を促すことで、温室効果ガスの削減を実現します。
日本においてこのような具体的な表明をしたのは東京都が初であり、今後ほかの自治体も東京都に追随する可能性もあります。
さらに、このような自治体が増えれば、国として太陽光発電システムの設置義務化が検討されることも考えられます。
なお、太陽光発電システムの設置義務化については、こちらの記事でも解説しているため参考にしてみてください。
◆住宅太陽光発電の義務化っていつから?補助金や導入におけるポイント、問題点についても
太陽光発電システムの補助金・助成金は今後どうなる?
住宅用太陽光発電システムの将来が不安視されるもうひとつの理由として、補助金事業が廃止または縮小されていることが挙げられます。
たとえば、国による太陽光発電システム単体の補助金制度は2014年に終了しており、現在は自治体が独自で行っている補助金事業や、蓄電池との併用やソーラーカーポートの設置といった一定条件のもとで支給される補助金・助成金が存在するのみです。
これらの補助金や助成金の多くはあらかじめ予算が決められており、予算が上限に達した時点で予定されていた募集期間よりも前倒しで締め切られるケースもあります。
太陽光発電システムの補助金や助成金は今後一切なくなるとはいえませんが、縮小傾向が続く可能性は高いといえるでしょう。
ただし、そもそも太陽光発電システムの導入費用は年々下がっており、以前と比べて低コストで導入できるようになったことも事実です。
補助金や助成金が縮小傾向にあるのは、そのような背景も関連していると考えられます。
◆電気代を節約したい方へ!住宅用太陽光発電導入に使える補助金制度の申請条件や申請方法
ウィズソーラーなら業界最安値で安心保証つき
住宅用太陽光発電システムの需要増加にともない、多くの業者が参入しています。
しかし、ソーラーパネルやパワーコンディショナーといった機器の設置には専門的な知識と技術力が求められ、未経験者にとっては難易度の高い作業です。
また、十分な設置実績がなく信頼性の低い業者へ依頼してしまうと、設置後に漏電や架台の破損などさまざまなトラブルが起こるリスクもあります。
そのため、住宅用太陽光発電システムの設置にあたって信頼性の高い業者を選ぶことは、安全性を担保するうえでも重要なポイントといえるのです。
しかし、そもそも近所に設置してくれる業者がなかったり、信頼できる業者の見つけ方が分からないという方も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、太陽光製品や蓄電池などの販売・設置を多く手掛けるウィズソーラーです。
ウィズソーラーは業界最安値でのソーラーパネルを提供しており、競合他社の見積もりがあればコストを抑えられるさまざまな方法を提案しております。
さらには、性能保証(メーカー規定の出力を保証するもの)・製品保証(通常の条件下での設置や使用に対する保証)・システム保証(ソーラーパネルやパワーコンディショナー、接続箱、架台、ケーブル一式)も業界最安値でのご提供になりますので、設置後も安心です。
まとめ
FIT制度での固定買取価格の下落や補助金・助成金の規模縮小など、さまざまな要因から住宅用太陽光発電システムの将来性を懸念する声は少なくありません。
しかし、その一方で太陽光発電システムの需要増加とともに、導入にかかるコストは下落していることも事実です。
また、蓄電池も併用すれば、災害発生時などにも最低限の電力を自給自足で賄うこともできるでしょう。
住宅用太陽光発電システムの需要は今後さらに高まり、多くの住宅の屋根や屋上に導入されることでしょう。
◆家庭用太陽光発電で電気代を節約できる理由と節約の為に知っておきたいポイントを紹介!